【交通事故】人身事故で問題となる自動車保険について教えてください。
対人、対物、人傷、車両、弁得、傷害特約など自動車保険にはたくさん内容が含まれています
対人、対物、人傷、車両、弁得、傷害特約など自動車保険にはたくさん保険や特約が含まれています。
ここでは、一つずつ解説していきます。
まず、対人保険、対物保険は、事故の相手に損害を加えた場合に使用する保険で、事故の被害者が加害者の保険に請求します。
対人保険、対物保険は、自動車保険の中核をなす保険で、事故の相手に損害を加えた場合に使用する保険です。
事故の被害者になった場合には、加害者保険会社の対人保険、対物保険窓口に、損害賠償を請求します。
保険会社によっては、人身と物損で窓口を分けていることも多いです。
100対0の事故の場合には、ほとんどが加害者保険会社の対人保険、対物保険の窓口とのやり取り(示談代行)になります。
対人保険、対物保険に入っていない人を「無保険者(車)」といいます。
人身傷害保険特約、車両保険は、被保険者の「過失に関わらず」、一定の保険金を支払うという保険で、自らの保険を使用します。
人身傷害保険特約(略して「人傷」と呼ばれます。)とは、被保険者が交通事故によりけが・死亡した場合に、被保険者の「過失に関わらず」、一定の保険金を支払うという自動車保険に付帯される特約です。
加害者の保険会社に、損害賠償を請求する場合、過失があると自らの過失分を差し引した額が賠償額となりますが(過失相殺)、人身傷害保険特約ではこのようなことはありません。
そのため、過失がある場合によく利用される保険です。
車両保険は、人身傷害保険特約の物損版です。事故により、物的な損害を受けた場合に使用します。
なお、人身傷害保険特約の保険金額は、「人傷基準」といい、「裁判基準」「弁護士基準」とは異なりますので、注意が必要です。
詳しくは、交通事故コラム「人身傷害保険特約に加入していても相手方保険会社に請求する必要がありますか。」をご覧ください。
対人、対物、人傷、車両険は使用により”3等級ダウン”が一般的です。
対人、対物、人傷、車両保険は使用により3等級ダウンが一般的です。
3等級ダウンすると将来の保険料が約10万円程度上がるため、特に小さい事故の場合には慎重に使用を検討する必要があります。
90:10で軽微な事故の場合、使用しない方が得なケースをよく見かけます。
弁得は、弁護士費用特約の略で、”等級ダウンなし”が一般的です。
弁得は、弁護士費用特約の略で、加害者損害賠償をする際に、必要な弁護士費用や実費を補償する保険です。
ご存じの方も多いですが、人身事故では弁護士に依頼している方と依頼していない方で、慰謝料等の基準が異なります。
そのため、相手方保険会社とのトラブルがない方でも、弁護士費用特約を使用し、弁護士に依頼することで、自己負担なく慰謝料を増額するという方法が採られています。
なお、弁護士費用特約は、過失がなくとも使用する必要があるため、等級ダウンなしが一般的です。
補足~自賠責とは何ですか。
自賠責保険は、加入しなければ罰則があり、車検が通らない強制保険です。人身事故の傷害部分のうち120万円、後遺障害部分のうち等級に応じた上限額を補償します。
ただし、自賠責保険は、相手方の対人保険や自分の人身傷害保険特約に請求可能な場合には、対人保険や人身傷害保険特約の保険会社が自賠責保険分を立替払いし、後に自賠責保険に求償するため、あまり事故の被害にあった方が意識しないことが多い保険です。
主に、相手方が無保険だった場合で人身事故に遭った際に、人身傷害保険特約に加入していない方が直接請求を行ったり、後遺障害を直接申請する場合(被害者請求)に使用する保険です。
愛知県弁護士会所属
愛知県半田市で相続・離婚・交通事故・債務整理・中小企業法務を主な業務内容として、知多半島地域を中心に弁護士活動を行っております。
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